「急にまとまったお金が必要になったけど、定期預金って途中で解約していいの?」
「解約したら利息がゼロになったり、元本が減ったりしない?」
「夫名義の定期預金、私が代わりに解約することってできるのかな」
定期預金は、満期前でも中途解約できることが多く、利息は中途解約の利率が適用されますが、元本まで減ってしまう心配は基本的に少ないです。
とはいえ、手続きに何が必要なのか、本人以外でも解約できるのかなど、気になる点はたくさんありますよね。
この記事では、定期預金を満期前に解約するときの影響や手続き、注意点をまとめました。
ここでは筆者が、信用金庫の窓口で長年お客さまのご相談を受けてきた経験をもとに、できるだけわかりやすく定期預金の中途解約の仕組みをお伝えします。
定期預金を解約されるお客さまは、満期解約より中途解約のケースが多かったです。
なぜなら、みなさんその時にお金を必要としているからですよね。
しかし、中途解約には注意点があるので、窓口に行く前に押さえておくと安心です。

定期預金では中途解約ができるケースがほとんど
一般的な定期預金であれば、満期前でも解約できるケースが多いです。
ただし商品によって条件が異なるため、順番に見ていきましょう。
スーパー定期など基本的な商品なら解約できる
スーパー定期などの一般的な定期預金は、満期日前でも解約できる商品がほとんどです。
みずほ銀行や三井住友信託銀行の規定でも、満期日前解約について案内があり、その際は所定の利率が適用される仕組みになっています。
「途中で解約したら二度と取引できなくなる」といった心配はいりません。
私も信用金庫の窓口にいたころ、「定期預金って途中で解約できるんですか?」というご質問をよく受けました。
窓口側の考えとしては、定期預金はそもそもお客さま自身のお金。
また余裕ができた時に、再度の契約をお願いしています。

■参考サイト
- みずほ銀行:「定期預金を満期日前に解約した場合の利率を知りたい」
- 三井住友信託銀行:「定期預金を中途解約する場合、利息はどのように計算されますか」
商品によっては中途解約できない場合もある
キャンペーン金利が適用される定期預金や、期間延長特約付きの定期預金など、原則中途解約ができない商品も存在します。
金融庁の相談窓口にも、期間延長特約付き定期預金は原則として中途解約できない取扱いとされている旨の案内があります。(参考:金融庁「金融サービス利用者相談室」)
預け入れ時に渡された商品概要説明書が手元にあれば、確認しておくと安心です。
キャンペーンや特典付きの定期預金は、中途解約ができても、その特典が消滅する商品もあります。
解約前に一度窓口に確認してみましょう。

解約前に確認しておきたいポイント
解約を検討するときは、次の3点を先に確認しておくと手続きがスムーズです。
- 預入期間と、あとどれくらいで満期を迎えるか
- キャンペーン金利や特典付きの商品ではないか
- 全額解約が必要か、一部だけで足りるか
特に満期が近い場合は、あと少し待ったほうが利息面で有利なこともあります。
焦って手続きする前に、通帳や証書で内容を確認してみましょう。
定期預金を中途解約すると利息や元本はどうなる?
定期預金を中途解約すると、利息は少なくなりますが、元本まで減ってしまう心配は基本的に少ないです。
とはいえ、実際どれくらい利息が減るのか、元本割れするケースがあるのかは気になるところですよね。
まずは、満期まで預けた場合と中途解約した場合の違いを一覧で見てみましょう。
| 項目 | 満期まで預けた場合 | 中途解約した場合 |
|---|---|---|
| 適用金利 | 約定利率(預入時に約束された利率) | 中途解約利率(金融機関所定・約定利率より低いことが多い) |
| 受け取れる利息 | 満額に近い利息 | 約定利率より少ない利息になりやすい |
| 元本 | 基本的に保証される | ・基本的に保証される ・大口定期預金など一部商品は割れる場合あり |
| 注意点 | 特になし | 商品によって条件が異なるため事前確認が必要 |
ここからは、中途解約時の利息や元本について、ひとつずつポイントを押さえておきましょう。
中途解約すると利息は中途解約利率で計算される
定期預金を中途解約すると、預け入れ時に約束されていた利率(約定利率)ではなく、金融機関が定める中途解約利率で利息が計算されます。
中途解約利率は約定利率よりも低く設定されているのが一般的で、預入期間が短いほど低くなる傾向があります。(参考:三井住友信託銀行「定期預金を中途解約する場合、利息はどのように計算されますか」)
通常の定期預金は元本が減りにくい
一般的な定期預金であれば、預けたお金(元本)そのものが目減りすることは基本的にありません。
定期預金は元本保証型の金融商品にあたるため、中途解約しても当初預けた金額を下回ることは基本的にないとされています。
「利息が減るのは仕方ないけど、元本まで減るのは困る」という方も、通常の定期預金であればその心配は少ないといえます。
この部分が投資とは違う、預金の強みですよね。
元本が保証されているので、将来使う予定のあるお金を預けておくのにちょうどいいのです!

元本割れするケースもあるので注意
一般的な定期預金は元本が保証されていますが、大口定期預金など一部の商品では、中途解約時に元本を下回るケースがあります。
自由金利型の大口定期預金を期限前解約すると、支払済みの中間利息と合算しても元本を下回ることがあります。(参考:りそな銀行「大口定期預金の中途解約に関するご留意点」)
大口定期預金は、1,000万以上の定期預金を指しますが、「自分の定期預金がどのタイプか分からない」という場合は、預け入れ時の証書や商品概要説明書を確認するか、窓口に問い合わせておくと安心です。
■預け入れ期間の選び方から見直したい方は、こちらの記事もおすすめです。
定期預金を中途解約するときの手続き方法と必要なもの
定期預金の中途解約手続きは、窓口・インターネットバンキング・ATMのいずれかで行え、通帳や届出印などの必要書類さえ揃えれば、それほど身構える必要はありません。
ここでは、必要書類や手続き方法、振込のタイミングを確認していきましょう。
中途解約手続きに必要な書類
名義人の本人が定期預金の中途解約手続きを行う場合、一般的に必要なものは次のとおりです。
- 通帳、または預金証書
- 届出印(銀行印)
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- キャッシュカード(ATMやネットで手続きする場合)
金融機関によって必要なものが多少異なるため、事前に電話やホームページで確認しておくと二度手間になりません。
届出印がわからなくなってしまった場合は、心当たりのある印鑑を複数持参すれば窓口で確認してもらえることが多いです。
通帳(証書)や届出印を紛失された場合は、紛失手続きが行われたのちに、解約手続きとなります。
本人確認書類は、一般的に写真入りのものとしているので、従来の保険証や住民票などでは別の書類とあわせて求められる場合があるので、心配な方は事前に確認しておくと安心です。

窓口・ネット・ATMでできること
手続き方法は、窓口・インターネットバンキング・ATMの3つに分かれます。
窓口はほとんどの定期預金に対応できますが、待ち時間がかかることがあります。
インターネットバンキングは自宅から手続きできて便利な一方、契約している商品によっては満期日前の解約に対応していないことも。
ATMは総合口座タイプの定期預金に限られることが多く、1日あたりの取扱金額に上限が設けられている金融機関もあります。
「とりあえずネットで済ませたい」という場合も、自分の契約している定期預金がネット解約に対応しているか、先に確認しておくのがおすすめです。
0や5のつく日は、金融機関の繁忙日なので、待ち時間が長くなることがあります。
定期預金の解約は、普通預金の払い戻しよりも処理に時間がかかるので、窓口の空いている日の手続きがおすすめです。

解約金はいつ振り込まれる?
解約したお金がいつ手元に入るかは、手続き方法によって差があります。
窓口で手続きすれば、その場で現金を受け取れたり、同日中に普通預金へ入金されたりすることが一般的です。
一方、インターネットバンキングでの手続きでは、解約手続きの翌営業日が解約日となり、即日には入金されない金融機関もあります。(参考:京葉銀行「インターネットバンキングで定期預金の解約をすると」)
「今日中にお金が必要」という場合は、ネットではなく窓口やATMでの手続きが確実です。
急ぎのときほど、事前に金融機関へ確認しておくと安心できます。
また、解約金を他の金融機関へ振込や送金をする場合にも、営業日をまたぐ可能性があります。
解約時に窓口にお問い合わせください。

本人以外でも定期預金は中途解約できる?
定期預金の解約は原則本人しか行えませんが、来店できない事情がある場合は、委任状を用意することで代理人による解約が認められることもあります。
ただし、判断能力が低下している場合や、本人の意思確認ができない場合は、代理人でも簡単には解約できません。
ここでは「私が夫名義の定期預金を解約したい」「親の定期預金を代わりに手続きしたい」というケースに向けて、順番に確認していきます。
まずは、本人と代理人で解約手続きがどう違うのか、一覧で見てみましょう。
| 項目 | 本人 | 代理人 |
|---|---|---|
| 解約の可否 | 可能 | 委任状があれば可能な場合が多い |
| 必要書類 | 通帳・届出印・本人確認書類 | 上記に加えて委任状・代理人の本人確認書類 |
| 注意点 | 特になし | ・本人への意思確認が入る場合あり ・本人の判断能力低下時は解約不可の場合あり |
定期預金の解約は、名義人本人の同意が必要です。
夫婦だから、家計が一緒だからという理由で、本人の同意なしで解約に応じることはできないということを押さえておきましょう。

夫や親名義の定期預金は勝手に解約できない
定期預金の解約は、原則として契約者本人が手続きする必要があります。
たとえ配偶者であっても、名義人本人が窓口に来ていなければ、その場では解約できないケースが一般的です。
「家族なんだから大丈夫だろう」と思って窓口に行っても、一旦手続きを断られることがあるので気をつけましょう。
お仕事などの都合で、本人が窓口に行くことができないケースもありますよね。
しかし、中途解約なうえに、金額の大きな定期預金ともなれば、金融機関側ものちのトラブル防止のため、慎重に取り扱う必要があるのです。

代理人が手続きする場合
本人がケガや病気、遠方在住などの事情で来店できない場合は、代理人による手続きが認められることもあります。
その際は、契約者本人が自筆で記入した委任状が必要になるのが一般的です。
委任状には、代理人の氏名や住所、委任する内容(定期預金の解約など)を本人が記入します。
近年は金融詐欺対策が強化されているため、委任状があってもすぐには手続きできず、金融機関の職員が、本人へ電話や訪問で意思確認が行い、了承が取れてから解約できると定めている金融機関もあります。
ただし、本人が施設に入所していて来店ができない、意思の確認自体が難しいといった事情がある場合は、通常の委任状だけでは対応できないこともあるので、注意が必要です。
「夫の通帳も印鑑も持っているのに、どうして解約できないの?」と困惑された方もおりました。
しかし、これに応じると、後々ご本人から「なんで勝手に解約したんだ!」というトラブルにつながる可能性もあるため、慎重にならざるを得ないのです。
また、本人の意識がはっきりしないなど意思確認そのものが難しい場合は、家族の方であっても簡単には解約できず、成年後見制度の案内をすることもありましたね。

家族名義で注意したいポイント
本人の判断能力が低下していると金融機関が判断した場合、家族であっても解約できなくなることがあります。
その場合は、成年後見制度の利用が必要になるケースもありますが、手続きに数か月かかることや費用がかかることも押さえておきたいポイントです。
いざというときに慌てないためにも、一度ご家族の間で預金の状況を共有しておくのもいいかもしれません。
ご家族が窓口にいらして、「本人の代わりに、まとまったお金を引き出したい」とご相談を受けたこともありました。
ですが、ご本人の意思確認ができない状態では、たとえご家族であっても、その場で解約に応じることはできません。
あとになって、他のご家族から「なぜ引き出したのか」と行き違いが起きてしまう可能性もあるためです。
結局のところ、ご本人の意思確認ができないと、たとえ家族であろうと定期預金は解約できないということを押さえておきましょう。

定期預金を中途解約してもブラックリストには載る?
定期預金を中途解約すること自体は、いわゆるブラックリスト(信用情報の異動情報)とは基本的に関係ありません。
とはいえ「なにか記録に残ってしまうのでは」と不安になる方もいると思うので、信用情報との関係を詳しく見ていきましょう。
信用情報との関係
CICやJICC、全国銀行個人信用情報センターといった信用情報機関が管理しているのは、ローンやクレジットカードの返済状況など、借入に関する情報です。
定期預金の解約は「自分のお金を引き出す」手続きであり、借入とは性質が異なるため、解約したことそのものが記録されるわけではありません。
私が窓口にいたころも、「定期を解約したらローンが組みにくくなりますか」と心配される方がいらっしゃいましたが、解約自体が信用情報に影響することはありませんでしたよ。
不安な場合は、遠慮せず窓口で聞いてみるのがいちばん確実です。

総合口座貸越との違い
総合口座貸越(定期預金を担保にした自動融資)を利用している場合は、注意が必要です。
定期預金を担保に普通預金がマイナスになる仕組みを使っていて、その借入分を返済しないまま放置すると、こちらは通常の借入と同様に信用情報へ影響する可能性があります。
「定期預金の解約」と「総合口座貸越の返済遅延」は別の話なので、自分がどちらの状態にあるのか、通帳の記帳で確認しておくと安心です。
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窓口で解約理由を聞かれるのはなぜ?
まとまった金額の中途解約では、窓口で使いみちを聞かれることがあります。
これは怪しまれているわけではなく、大きな金額の解約は日常的な出金と比べてイレギュラーなケースにあたるため、確認の意味合いが強い質問です。
私が窓口にいたころも、大きな金額の解約では使いみちを伺うようにしていました。
車の購入や住宅資金であれば、定期預金を崩さずローンで対応できないかご提案できる場合もありましたし、送金と伺った際は、特殊詐欺の被害に遭われていないか確認する必要があったからです。
「根掘り葉掘り聞かれて嫌だ」と感じるかもしれませんが、お客さまを守るための質問でもあるので、正直に答えていただくのが一番安心です。

定期預金を中途解約する前に確認したいこと
解約する前に、一部解約できないか、満期までの日数はどれくらいかを確認しておくと、より有利な選択ができる場合があります。
ここでは、実際に動く前に押さえておきたい3つのポイントを見ていきましょう。
一部解約できるか確認する
金融機関や商品によっては、定期預金の一部だけを解約できる場合があります。
全額を解約すると残りの分の利息まで下がってしまうため、必要な金額だけを引き出せるなら、その方が有利なこともあります。
「全部解約するしかない」と思い込まず、一部解約が可能かどうかを窓口やコールセンターで確認してみましょう。
私が勤めていた信用金庫では、スーパー定期の一部解約は取り扱っていませんでした。
金融機関によって対応が分かれる部分なので、まずは窓口で確認してみるのが確実です。
一部解約ができない場合は、一度全額を解約してから、必要な分を差し引いた金額で定期預金を組み直すという方法を取られる方も多かったですよ。

満期まで待つ方がよいケース
満期まであとわずかな場合や、キャンペーン金利・特典付きの定期預金の場合は、無理に中途解約せず満期まで待った方が有利なことがあります。
急な出費であっても、他の資金でまかなえないか、カードローンやフリーローンと比較してどちらが総合的に得かを考えてみる価値はあります。
焦って解約する前に、あと何日で満期を迎えるのか通帳で確認してみてください。
不安なときは銀行へ相談する
ここまで一般的な内容を解説してきましたが、実際の取扱いは金融機関や商品ごとに細かく異なります。
「うちの定期預金はどうなるんだろう」と迷ったときは、遠慮せず取引銀行の窓口やコールセンターに相談するのが一番確実です。
通帳や証書を持って行けば、その場で具体的な金額や必要書類を教えてもらえます。
金融機関によって取扱いが違うのは、本当によくあることです。
「よその金融機関ではそう言われなかったのに」とおっしゃる方もいらっしゃいましたが、それだけ商品や規定が金融機関ごとに異なるということでもあります。

まとめ|定期預金の中途解約で知っておきたいポイント
定期預金の中途解約は、一般的な定期預金であれば、それほど身構える必要はありません。
利息は中途解約利率で計算されて少なくなりますが、元本まで減ってしまう心配は少なく(大口定期預金など一部の商品を除く)、ブラックリストとも基本的には無関係です。
本人以外が手続きする場合は委任状などの準備が必要になるため、時間に余裕を持って進めるのがおすすめです。
とはいえ、実際の条件は金融機関や商品によって細かく異なります。
この記事の内容を参考にしつつ、最終的には取引銀行の窓口へ確認しながら、落ち着いて手続きを進めてみてください。
定期預金はお客さまのお金であり、預入、引き出しもご本人の自由です。
金融機関が本人確認や意思確認をはさむのは、手間に感じられるかもしれませんが、それもすべてお客さまのお金を守るためだと考えていただければうれしいです。


